2008年06月10日

でら素敵な男達

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「でら名古屋プロレス」の旗揚げ戦は800人の大観衆を集め、見事に超満員札止めとなった。

会場であるZeppNagoyaは中規模ながらも新日本プロレスやNOAHなどのメジャー団体が大会を開催している会場。
ツヤのない黒の内装に包まれた館内とライブ向けに設置された豪華な照明設備もあって雰囲気はすこぶる良い。

この日、でら名古屋が地域対抗初戦 として最初に迎える相手はKAIENTAI−DOJO。旗揚げから6年。数々のスター選手を所属させる千葉の名門プロレス団体だ。この日のカードにもTAKAみちのくを始め団体のエースから期待の若手まで対抗戦の名に恥じないメンバーを揃えてきた。
対するでら名古屋は監督の高木三四郎にコーチの高井憲吾。あとは東海地区で知名度の高いSHIGERUを除けばデビュー数試合の新人2名と、この日がデビューとなる2名が所属するだけだ。
勝負は見えすぎるくらい見えている。一つ間違えば一方的な試合で終わってしまう。
しかしこの日会場に詰め掛け、闘いを見つめる者の熱はそれを感じさせないほどに高かった。それは地方のプロレスファンなら一度は夢見る地元の名前を冠する団体設立への高まる期待。選手は地元の為に、地元は選手の為に、常に通いあえるハートを持つ団体の誕生。

そしてその瞬間は訪れた。

でら名古屋プロレスのテーマ曲VOMIT Wrathの「LoST」が流れる中、K−DOJO選手の入場。
続いて大歓声の中でら名古屋の選手が入ってくる。
満感の表情の高木、気合い爆発の高井、闘志を秘めてSHIGERU、飄々と笠木、まっすぐを見つめて宮本、緊張の中に決意の榊原、高ぶる気持ちに握りこぶしの入江!
音響と光が彼らを奮い立たせる。津波のように押し寄せる歓声!

見届ける為に我らは来た。
その心は選手とともにリングの上だ!

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花屋で働き花を愛する心優しい青年。
そしてプロレスラー。

宮本武士はその合反する2つの心を有してオープニングのマットに立つ。
旗揚げ戦がデビュー戦。青いパンタロンが目に新しい。引き締まった筋肉はキックボクサーのようだ。
相手は若きテクニカルファイターのヒロ・トウナイ。

両者は額をこすりつけて睨み合う。
そして宮本のキックとトウナイのサブミッションが火花を散らす。ロー、ミドル、慎重に距離をとる両者。
しかしタックルで捕まると容易にグラウンドの展開。いいように体をコントロールされる。
脇固めに逆十字。腕が狙われる、悲鳴を上げる間接、苦痛に歪む宮本の顔。
初めて観衆にさらす顔。その目は闘争心にあふれている。
何とか逃れてエルボー連発の宮本。コーナーに振って体を浴びせるようにエルボー。
突破口は己の蹴り。息が切れても打ち続ける。
でら名古屋の栄えあるオープニングマッチ。プロレスラー宮本武士としてのオープニングマッチ。
一分でも長くリングで闘う為、ただ相手の肉体めがけてキックを放つのみ。
やがて膝を落とすトウナイ。宮本は自らロープに走ってランニングからのキック!
しかしそれはトウナイの誘い水だったのか、かわされた次の瞬間アームロックをガッチリ極められた宮本は外せずギブアップ。

試合後再び睨み合う二人。
これから目指すスタイルにトウナイは天敵。
いつかの再戦。いつかのリベンジ。

宮本武士よ、美しき花を愛で、リングの相手を徒花と散らせ。


第1試合 30分1本勝負 ○ヒロ・トウナイ ( 6分55秒 アームロック ) 宮本武士×

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周囲の意見は一致してプロレスと縁のなさそうな人物。
現役大学生でプロレスラー。
それでも榊原渉はプロとして境界線を越えた。

監督の高木三四郎は現代っ子と呼ぶ彼を現代プロレスの象徴と考えているのか。
プロレスの過酷な環境は弱くなったと言われる現代人の心と体を改革できるのか。
厳しい練習を乗り越えデビューを迎えた彼の前にはプロレスという世界特有の「ヒール=悪役」という存在が立ちはだかる。
その名はKAZUMA。
KAZUMAは榊原をすでに捕らえた獲物かのように痛ぶる。
コーナーに追い詰め拳を浴びせる、場外に放り出してチェーンで殴る。
それを榊原は覚えた全てで対抗する。巨体のKAZUMAを全力でボディスラム。ブレーンバスターも一度は失敗するものの、二度目は逆に阻止して放つ。

KAZUMAは全体重を乗せたフットスタンプでお返し。悶絶する榊原。
身体は大きいが筋肉は発展途上の榊原。一撃が大ダメージ、とにかく攻め続けるしかない。
渾身のチョップ連打。コーナーのKAZUMAめがけて体ごと浴びせる。
しかし強靭な体のKAZUMAは受けきると榊原をコーナーに追い詰め連続ラリアット。大きく抱え上げアバランシュホールドで叩きつける。
なんとか返す榊原。顔には限界の色。
だがプロレスラーの限界はここではない。それが彼を突き動かす。
KAZUMAのAAAXボンバーをかわす。そして相手がよろめく程の張り手!
最後は再び放たれたAAAXボンバーの前に沈むも彼に最後まで「諦め」の二文字はなかった。

余裕顔のKAZUMA。ダウンしたままの榊原。

こうしてパワー&ラフというプロの洗礼が榊原に植えつけられた。
まだ表情には余裕はない。それでも闘った。立派に闘えた。
これから榊原渉はもっともファンに近い存在になるではないか。なりたくてもなれないプロレスラーへの高い壁。それを少しづつ彼が克服してゆく。
それならば、彼は成長とともに共感を呼び、でら名古屋プロレスの牽引力となるかもしれない。

らしくないプロレスラーがプロレスを極める。
それはとても痛快な事だ。


第2試合 30分1本勝負 ○KAZMA ( 7分58秒 AAAXボンバー → 腕固め ) 榊原渉×

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旗揚げ戦寸前になって第3試合におけるK−DOJO側のメンバーが変更になった。

軽量でスピーディな大石真翔と旭志織のコンビから、突貫系のファイター稲松三郎と様々なタイプの蹴りを放つ関根龍一へ。
タックルや打撃が得意で当たりの強い両者。言ってしまえばより対抗戦向きに陣容を変えてきたと言えるのかもしれない。
迎え撃つでら名古屋のコーチ兼選手である高井憲吾からすれば実績的にはどちらでも問題はない。しかしデビュー間もないパートナーの笠木峻にとって、どちらにしろ未知の相手。しかも実績が大きく上の相手への対処などはなから考えが及ばないはずだ。
勝敗の行方はその笠木の頑張り次第。これは一目瞭然だ。
案の定、試合は笠木が相手コンビに捕まる展開となる。

先発はお互い蹴りが持ち味の関根と笠木。しかし軽い攻防ですぐに両者交代。
高井と稲松は挨拶代わりのチョップとタックル合戦。高井は稲松を自コーナーに押しやりチョップ。交代した笠木はミドルキック。
しかしここからK−DOJO組がスムーズなタッチワークで笠木を捕らえる。
関根は首と腕に狙いを定めて彼の動きを止める。稲松はバックブリーカーから逆エビ固めで腰狙い。笠木の表情が歪む。
なんとかドロップキックで返した笠木は高井にタッチ。
なかなか出番が回ってこなかった高井は気合重点完了。K−DOJO組に次々とスピアーを浴びせ、コーナーに横付けにした稲松に渾身のスピアー。
稲松もブロックバスターを耐えると河津落としにバックドロップ。迫力の攻防に観客が沸く。
代わった関根と笠木はキックの攻防。関根はコーナーに貼り付けてキック連打。笠木も負けじとハイキックをかわして延髄斬り。そしてミドルキック連打。座っている相手にもジャンピングミドル。
蹴りならまったく負けてない。頼もしい笠木の気合溢れる表情。
捕まって稲松の369(サブロック)、関根からは抱き上げるようなエグい逆エビ。それでも屈しない。
逃れてスイッチすると、高井は関根の蹴りにもひるまずタックル、そしてパワーボム。
笠木はドロップキックで場外にふっ飛ばしプランチャで稲松の分断に成功。ここで高井が好機に畳み掛ける。
関根に豪快なジャーマン。返されるとリバースのブレーンバスターの体勢から垂直落下DDTで落とす新技「でらホフバスター」で完璧なフォール勝ち。

待望のでら名古屋プロレス初勝利。笠木の粘りと高井の勝ちへの執念が生み出した歴史に残る一勝。

高井は勝ち名乗り。笠木はダメージで片膝をついたまま。
やがて高井が笠木の手を上げる。
笠木の試合運びは新人のソレではない。この大舞台で抜群の状況把握能力。捕まる場面も多かったがK−DOJO組の猛攻に耐えて高井の反撃を呼びこんだ文句なしに勝利の立役者。
そして、でら名古屋の新人を預かるコーチとして、皆を引っ張るベテランレスラーとして一回りも二回りも大きく見えた高井。
彼がいなかったら、でら名古屋の夢は実現しなかったのではないか。それは教育うんぬんではなく、高井の存在が団体の熱を急激に上げている事実。
観るものに伝わるパフォーマンスそして雄叫び。若い新人達が見習わなければいけないプロとしての振る舞いそして経験。
彼がでら名古屋を一つにしている。そして背中を押し続ける。
各団体でくすぶっている選手は多い。レスラーとして充実の場を手に入れた高井は幸せだ。
そして彼のそばにいられる若者達も幸せだ。


第3試合 30分1本勝負 ○高井憲吾&笠木峻 ( 13分12秒 でらホフバスター → 片エビ固め ) 稲松三郎&関根龍一×

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SHIGERUはでら名古屋プロレスでプロレス人生を終えたいと考えている。

だからこの団体に賭ける想いは格別。
そんな彼は旗揚げを前に腰を負傷していた。いつ悲鳴を上げるかわからない爆弾。
それでもこの日だけはリタイアする事はできない。相手は日本に世界にプロレスを渡り歩き、多くのレスラーがリスペクトするTAKAみちのく。
誰にも任せたくない。誰にも取られたくない大役。
そしてでら名古屋の選手としての使命感。
この日の彼には最低限のテーピング。不調を微塵も感じさせないたたずまい。
自分が負ければでら名古屋の負け越しが決定。胸にあるのは悲壮なまでの必勝の覚悟。

いつものようにタオルを被り入場してくるTAKA。
コールが終わるやいなや仕掛けたのはSHIGERU。
いきなりのドロップキックたまらず場外のTAKAにロープ最上段越えのトペコンヒーロだ。
休まずアームブリーカーで腕にダメージを植え付けペースを握ると、再び場外でのイス攻撃。
SHIGERUの真骨頂、ラフと一点集中の二重奏。
ここまでは良かったのだが次の瞬間SHIGERUに暗雲が垂れ込める。観客席にスローするところを逆に振られイスにまみれ腰を痛打、そのまま動けなくなってしまったのだ。
場外カウントアウト間際に戻ったSHIGERUだったが、ここからTAKAの非情な攻撃が始まる。
ボディスラム、ストンピング、逆エビ固め、すべて腰狙い。とどめを狙うジャストフェースロックこそすり抜け逆に決めるもののダメージは蓄積されてゆく。
ここからSHIGERUは奇跡の復調。コーナーを使った連続攻撃。ハイキック、ドロップキック、ランニングエルボー。
続いてのフィッシャーマンバスターは耐えられたもののすぐさまフェースロックに腕ひしぎ逆十字。そしてついにフィッシャーマンズバスターを敢行。
トップロープからのダイビングはかわされたものの、ここで再度のフェースロック。しかしこれは使い手であるTAKAに切り返されエグい角度でガッチリ決められてしまう。
逆に決めることで回避してきたTAKAの必殺技。しかしこの瞬間を待っていたかのような鮮やかかつ一瞬の体捌き。
ギブアップしないSHIGERU。
しかしここでレフェリーは危険を感じてストップ負けを宣告。納得できないとレフェリーに詰め寄るSHIGERU。序盤のダメージが心象に残っていただけに仕方のない裁定でもあり、彼にとっては悔やまれる幕切れとなってしまった。
背負われて退場するSHIGERU。

世界のTAKAみちのくと名古屋のSHIGERUが見せた息詰まる攻防。

旗揚げのセミファイナルの使命は果たされたと思う。しかし万全ではなかっただけに本人はまったく納得などしていないだろう。
新人中心の選手層。中堅の彼がこれからもでら名古屋の勝敗のカギを握るのは間違いない。
待たれる完全復活。

勝利に貪欲な野武士のごとく。
名古屋のラストサムライは逆襲を誓いその刃を研ぐ。


第4試合 30分1本勝負 ○TAKAみちのく ( 11分44秒 ジャスト・フェースロック → レフェリーストップ ) SHIGERU×

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メインイベントの相手はK−DOJOにおける文句なしのエース、真霜拳號。そして未来を担うエースの滝澤大志。団体にとってTAKAみちのくが象徴なら彼らは誇りそのもの。いくら他を全勝しても彼らが負ければ、それはK−DOJOの敗北を意味する。
そんな中、でら名古屋の最後の砦となるのは監督の高木三四郎とこれがデビュー5戦目となる入江茂弘。
高木はK−DOJOで闘いたい相手として真っ先に真霜の名前をあげていた。その高木のキャリアをもってしても有数の強敵コンビと言える彼ら。新人である入江にとっては想像もできない相手だろう。
しかも彼は敵だけでなく旗揚げ戦を飾るメインの重圧とも闘わなければいけないのだ。
しかしデビュー直後から雑誌や業界の高い評価を受けている入江。酷とも言える采配は彼に対しての期待への裏返しとも言えるのかもしれない。

そしてそのコーナーに立つ彼の大きな背中には悲壮感とは違う何かが見えた。
それは無心。
責任、覚悟、恐怖、その全てが混じりあって残った闘いの本能だけが彼を包んでいるように感じられたのだ。

続く高木はそんな入江を鼓舞するかのようにコーナートップで躍動する。

しかし真霜と滝澤の入場によって館内の空気は一変。
真霜の敵と分かっていても全身を痺れさせ、ストレートに強さを感じさせるオーラは思わず「真霜!」と応援してしまいそうになる程だ。
滝澤も恵まれた背丈、そして不敵な面構えはすでに大物の片鱗をうかがわせている。

旗揚げ戦のメイン。でら名古屋vsK−DOJO最終決戦。
観客の興奮は最高潮に達する中、ゴングは打ち鳴らされた。

入江と滝澤はリング中央で対峙。身長は滝澤が顔一つ上。視線は合わない。そこから向こうのコーナーに立つ高木を睨みつける。
「入江よ、オマエなど眼中にない」とでも言うように。
挑発された入江、エルボーの連打。それでも前に出る滝澤。ここから滝澤とがっぷり四つ。腕の取り合いでは滝澤が優位。
お互いスイッチして高木と真霜のタックル合戦の後、再び入江と滝澤の攻防。
プロの技が入江を襲う。滝澤の長身から繰り出すチョップ。代わった真霜から仰け反るようなエルボー。
入江も負けじとエルボー。しかし何倍もの衝撃でやり返される。滝澤がチョップ連発で、真霜が蹴りで入江の胸を腫らす。
続くグラウンドで攻め立てられて、再び滝澤が入るとエルボー合戦。
休む間もない重い攻撃。孤立の時間が長い。
入江はなんとか己のヒジで挽回しようとする。ひるんだところを持ち上げようとするが、ボディスラムも大きな滝澤には上げるだけでも難関。
こらえられてしまうが相手のロープワークにカウンターのパワースラムの入江。

代わった高木はコーナーの滝澤にリバーススプラッシュ。パワースラムは持ち上がらなかったものの続くドロップキックで再び入江につなぐ。
入江はコーナーの滝澤にエルボーから首筋に連続ハンマー。そしてジャンピングエルボーと躍動するが、またしてもK−DOJO組に捕まってしまう。
羽交い絞めにされての真霜の蹴り、コーナーへのリバーススプラッシュ、ブロックバスター。
救出に入ろうとする高木も両者の連携でつぶされてしまう。
動きが止まった入江に滝澤はバックハンドのエルボー。コブラツイストは片足を持ち上げてよりエグく決まってしまう。
耐える入江。これは高木がなんとか救出。

ここで高木がなんとか流れを変えようとする。真霜の強烈なミドルキック連打をラリアットで打ち落としてスタナー。滝澤にはラリアットからパワーボム。
しかし後が続かない。入江はスピアーの一撃から滝澤の足をロックしてスタンディングで絞めようとするが、持ち上がらずアキレス腱固めに移行。
これは逃げられて真霜の登場を許してしまう。
高木は場外で滝澤によって分断されている。孤立無援だ。
それでも握りこぶしの入江!果敢に真霜に立ち向かう。蹴りを打ち込まれてもエルボー!とにかく全身の力をこめたエルボー!
本能で返す。目を剥いて立ち上がる。その目は死んでいない。
焦れてきた真霜は渾身のエルボー!入江の体が泳ぎ、すぐさまダウン。
それでも起き上がる。何度もエルボーを振り抜く。ついに真霜が仰け反りふらつく!
しかし真霜は突進してくる入江に投げ捨てジャーマン、バズソーキック!
怒涛の攻撃。それ一発だけでも終わりそうな一撃!
それでも返す。その目はうつろ。
真霜はそれを持ち上げる。ブレーンバスターの体勢だ。入江の目はもうすでに開いていない。そこから垂直落下!
入江はついにKO3カウント。

ダウンする入江に張り手の真霜。一度は高井に引き剥がされるも再び即頭部に蹴り。
生意気な新人。
デビュー5戦目の入江がトップレスラーに残した第一印象。
危険な垂直落下を出させた粘り。
勝ち名乗りを上げる真霜に這ってまで向かっていこうとする執念。
がむしゃらだった。相手は絶対的に強かった。でも喰らいついた。
そして真霜に小さくとも爪あとを残した。
それをファンが見届け、感じ取った。それだけで価値がある。

今はあまりにも遠い存在。でも、成長した彼が再び真霜と向かい合うのを皆は待ち続ける。
いつの日か振り向かせそして...。


第5試合 30分1本勝負 ○真霜拳號&滝澤大志 ( 18分42秒 垂直落下式ブレーンバスター → 片エビ固め ) 高木三四郎&入江茂弘×

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「猛烈に悔しい!」膝まづき絶叫する高木。目頭を押さえながらも話し続ける。

「でも、まだ何も知らなかった素人のこいつらがココまでこれた...こいつらはダイヤの原石です」

「でら名古屋を言い出した時、オレは一人じゃなかった。すぐに名古屋の色んな人が協力してくれた。そして高井も選手を立派に育ててくれた...ありがとう!」
高井と握手する高木。高井の目にも光るものが。

「オレはDDTという団体をやっているけれども、ワガママを言わしてもらえればでら名古屋もオレの...いやオレ達の団体です!」
場内から「高木!」「監督!」の声が飛ぶ。

「この普通の奴等なら逃げ出してもおかしくないこの状況で...負けはしましたけど、こいつらは立派にやり遂げました!SHIGERU、オマエも頑張った!」
高木はここで入江を呼ぶ。マイクを渡された入江は体力を振り絞って立ち上がり、話し始める。

「ご来場ありがとうございました。自分はでら名古屋プロレスには入って...体力も昔に比べて付いてきたと思います。でも高井コーチから教えてもらった一番大事なことは...立ち向かうという根性です!」

「自分はこれからどんな相手だろうと...どんな戦いだろうと全力で立ち向かっていきます!」
息も絶え絶えだが、しっかりした決意に次々と「入江!」の声援。

最後はリング上の全員が並び立ち高木のマイクで締める。
「ここにいる選手達の心は一つです。これからもでら名古屋プロレスは立ち向かいます!次はもっともっと練習して必ず勝ちます!応援よろしくお願いします!」
場内は拍手と大歓声。「ありがとう!」「でら名古屋最高!」などの声が上がり、選手を応援する横断幕がはためく。

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でら名古屋プロレスが観ている者に与えてくれたもの。それは挑戦する根性、そして勇気。
ゼロからのスタート、他団体のリングを借りての練習、慣れない街頭での宣伝活動、痛みと緊張のデビュー、そしてこれからも続く未知との闘い。
そんな彼らの勇気の連続がこの旗揚げ戦を最高の舞台に仕上げた。
1勝4敗という結果。
でも間違いなく次の感動を求めてファンは訪れる。
なぜならこの日でら名古屋プロレスの新人達が見せてくれた、たくさんの未来の光があるから。
その光はまだ揺らいでいて頼りないけれど、やがてまばゆい輝きでプロレス界を照らすと信じてる。

無限の可能性に心から拍手を送りたい。

でら名古屋プロレス旗揚げおめでとう。
そしてありがとう、でら名古屋プロレス。

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SHIGERUとの試合後、TAKAみちのくのコメントがあった。

「ほとんどデビュー戦同然のヤツらばっか...その中で高井とSHIGERUはキャリアがある。でもチョットそれにしちゃダメじゃないのか!?」

「やるんなら名古屋の頭獲るくらいやれよ!監督の高木三四郎ツブせ!SHIGERU、コーチの高井ツブせ!今日のじゃ誰にも勝てねぇ!オマエすぐ下に抜かれるぞ!上狙え!そしたら上あがった時、もう一度オマエとやってやるよ!やるなら名古屋のトップ獲れ!」

プロレスサミットの開催を始め、広い視点でプロレス界を見渡すTAKAみちのく。痛烈だがでら名古屋プロレスの将来に期待した大いなるエールに感じた。
posted by ラポン at 16:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 大阪プロレス観戦記2008 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ラポンさんのお席からは、SHIGERUさんのこんな表情まで見る事が出来たんですね…(T_T)
写真見てるだけで感動がよみがえって来ますね♪
Posted by おさ at 2008年06月10日 17:33
熱い記事、堪能させていただきました!
しかしラポンさんも幸せだなぁ。プロレスにリターンして地元に団体が旗揚げするなんてタイミング良すぎますよ〜羨まし過ぎてジェラシー感じます(笑)
これからも頑張って盛り上げていきましょう!
Posted by さぬきうどん at 2008年06月10日 21:18
>おささん

ジャストフェースロック入った時の表情見る限りではSHIGERU選手はまだできそうでしたね。
でも完全に極まってたなら危険だからストップも仕方ないかも。絶対ギブアップしなかったでしょうから。

文章長〜〜〜〜くてスイマセン。
写真集としてお楽しみください(笑)
Posted by ラポン at 2008年06月10日 22:08
>さぬきうどんさん

本当にものすごいタイミングです。知った瞬間小躍りしましたから。

九州プロレスも旗揚げしますし四国プロレスも不思議じゃないですよね。いいレスラー結構輩出してますし。
旗揚げしたら絶対観に行っちゃいます。

でら名古屋はこれからが楽しみです。
それでもやっぱり大阪プロレスは特別なんですよねぇ。
Posted by ラポン at 2008年06月10日 22:20
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