2008年07月17日

折れない心 −前半戦−

080716op.jpg


プロレスラーが誇るのは頑強な身体や驚異的な力だけではない。彼らが秘めるのはその世界に入ってからの過酷な肉体改造から頂点に登り詰めてゆくまでの長い激闘を支える不屈な精神力。
屈辱のの敗北に打ちのめされ、思いも寄らぬ負傷に身体を苛まれて何度も挫折を味わいながらプロレスラー達は今日もリングの上で闘う。
プロレスにおいて順風満帆な輝かしい戦歴より、辛酸を舐めながら這い上がる紆余曲折な逸話の方が心に響くのはなぜだろう。
それは彼らの決して折れない精神が放つ反撃の輝きを皆が知っているから。
彼らのターニングポイントを目の当たりにした感動で、人々は想像を膨らませながらその後姿を頼もしく暖かく見守ってゆくのだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

大阪プロレス 7月12日(土)デルフィンアリーナ大会

「大阪SATURDAY NIGHT STORY」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

第1試合20分1本勝負
タダスケ vs 三原一晃

080716101.jpg 080716102.jpg

腕を取ってじっくりと攻めようとタダスケだが、三原はそれを嫌って胸に張り手、首筋にエルボー。タダスケもそれならばと返すとコーナーに追い詰め背中にエルボーの嵐。
そして三原を軽々と持ち上げボディスラム連発からSTFと攻め立てる。ロープに逃れる三原にタダスケの「こんなんもんか!」と檄が飛ぶ。

080716103.jpg 080716104.jpg

三原は勢いのあるドロップキックからタックル、そして力いっぱいのフォール。立ち上がってのエルボーの打ち合いは一発ごとに「来い!」と叫んでタダスケの勝利。

080716105.jpg 080716106.jpg

タダスケのタックルを受け止めた三原はボディスラム。起き上がるとタダスケは三原を抱き上げて倒し逆エビ固め。

080716107.jpg 080716108.jpg

ブレーンバスターで追撃のタダスケ。カウント2で返した三原の背中にハンマーを狙うタダスケ。しかしこれは三原がとっさにスクールボーイ。

080716109.jpg 080716110.jpg

しかし反撃はここまで。膝を受けて前かがみになる三原の背中浴びせ倒す強烈なハンマー。三原は動けぬまま3カウントを聞くことに。

080716111.jpg 080716112.jpg

二人の表情が弾け、声の良く出た気持ちのいい試合。試合後にらみ合う両選手。タダスケは上から三原は下から。
タダスケの実力が急伸したのはその逆境の精神の賜物。ならば三原よその背中を目標と見据え、脇目も振らず突き進め。

○タダスケ (6分49秒 I−20→片エビ固め) 三原一晃×

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

第2試合30分1本勝負
原田大輔 vs えべっさん

080716201.jpg 080716202.jpg

「あいつ調子に乗ってるから」とえべっさんに耳打ちのタナベレフェリー。「あいつシメたるわ」と原田にアピールのえべっさん。
そう言いながらもユニークかと思ったが、ロックアップからシリアスな攻防。打撃の攻防もしっかり踏ん張るえべっさん。

080716203.jpg 080716204.jpg

いきなりのバックドロップで意表を突いたものの、エルボーを何発も叩き込まれるとえべっさんの動きが鈍くなる。そこからはグラウンドの攻防を織り交ぜて原田が押し気味。

080716205.jpg 080716206.jpg

原田の串刺しドロップキックにはドロップキックでお返し。ラリアットが決まってやっと立ち技の攻防へ。

080716207.jpg 080716208.jpg

ブレーンバスターの攻防はえべっさんが技ありの脇固めで切り返し。そこから腕ひしぎ逆十字。しかし追撃の景気回復プレスは剣山が待っていて大ダメージ。

080716209.jpg 080716210.jpg

原田はハーフハッチスープレックスから肩固めに移行。いつもならギブアップでもおかしくない場面だが、えべっさんは執念でロープブレイク。

080716211.jpg 080716212.jpg

ここでえべっさんはラリアットで反撃、えびすボトムへつなぐ。しかしパワーボムの体勢はショルダースルーで返され、掟破りのえびすボトムを食らってしまう。

080716213.jpg 080716214.jpg

粘るえべっさんだが強烈な膝を叩き込まれると失速。アマレスの投げから再びグラウンドへ。

080716215.jpg

最後はリング中央で再度の肩固め。えべっさんもこれには耐えられずタップアウト。

080716216.jpg 080716217.jpg

「負けたー!原田に負けたー!」叫ぶえべっさん。帰ろうとした原田が立ち止まる。
「今日は負けたけど、お前オレにもガンガン来てくれた。気持ち良かった、ありがとう!」その口から出たのは感謝の言葉。

えべっさんが見せた予想外のシリアスな闘い。えべっさん=ユニークという先入観念はファンの誰もが持ちえるもの。しかしその彼に隠された普段解放されることがない引き出しを、観ている者そして何より原田がその肌で感じた。
積み重ねたシリアスの場数では原田に劣るかもしれない。しかしリングの上でやる以上ユニークだって立派なプロレスである。安全に楽しいプロレスが披露できているのは日頃の鍛錬があるからという事実を観客が意識することない。それはイコール彼らの試合におけるクォリティであるのだ。
今回の一戦はえべっさんの「やればできるんだぞ」という自己主張を感じた。
各々が各々のポジションでの役割を果たしてこその大阪プロレス。そのプライドは折れることはない。

○原田大輔 (7分34秒 変形肩固め) えべっさん×

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

第3試合3WAYマッチ30分1本勝負
KUSHIDA vs くいしんぼう仮面 vs 松山勘十郎

080716301.jpg

ジリジリのにじり寄りながら手四つ(手六つ?)組み合おうとする3人。間合いを嫌い付かず離れずのシチュエーションが続く。

080716302.jpg 080716303.jpg

すると突然ドリフネタ。前転して「ピッ!」と笛を吹かれてポーズの勘十郎。続いてくいしんぼうもポーズ。手拍子で否応にも注目されるKUSHIDA。しかしロープにもたれて空気読まずのハッスルポーズ。

080716304.jpg 080716305.jpg

「何一人だけカッコイイことしてるんだよ!」と憮然の勘十郎。「てめぇだけ特別扱いは許さないからな」と続ける勘十郎にくいしんぼうも指差しして非難。観客も「ピッ!やりなさいよ!」とクレーム。腰に手を当ててしばし考えるKUSHIDA。

080716306.jpg 080716307.jpg

手拍子に今度こそ期待に応えて「ピッ!」でポーズのKUSHIDA。得意満面の顔。

080716308.jpg 080716309.jpg

「気にいらねぇな!カッコイイことやっても面白いことやってもキャーキャー言われやがって!」と結局怒る勘十郎。相手構わず攻撃開始。KUSHIDAに嫉妬交じりのウラカンラナ。

080716310.jpg 080716311.jpg

くいしんぼうにはボディスラム連発の勘十郎だが、その度くいしんぼうはスクッと立ち上がる。ならばのロープワークにはワナが待ち受ける。くいしんぼうにつまずいて顔面直撃。

080716312.jpg

ここで勘十郎は「イザ!」とくいしんぼうを捕まえてロープ渡り。蝶々は当然KUSHIDA。手刀を落とし「参ったかぁー!」とキメの勘十郎。

080716313.jpg

しかしその蝶々を凶器にして勘十郎を捕まえたKUSHIDAは今度は自分がロープ渡り。観客喝采。

080716314.jpg 080716315.jpg

ヨタヨタながらも渡りきりアームホイップで投げて「ハッスルハッスル」とキメポーズのKUSHIDA。くいしんぼうもノリノリでハッスルポーズ。ペースを乱され頭を掻きむしる勘十郎。

080716316.jpg 080716317.jpg

くいしんぼうにコブラツイストを決めるKUSHIDAだが勘十郎が「目指せ三冠王」ハリセンで襲撃。くいしんぼうにもカウンターの一撃。しかしハリセンを奪ってKUSHIDAが勘十郎にお返し。KUSHIDAはハリセンを投げ捨てて、向かい合っての恒例ビンタ合戦モード。

080716318.jpg 080716319.jpg

と思ったら勘十郎はチャンスとばかりにキスを迫る。露骨に嫌がるKUSHIDAは勘十郎のビンタをことごとく受け止めキツい一発二発。勘十郎の顔が愉快に歪む。

080716320.jpg

首をかしげる勘十郎は瀬戸口くんで効果を実験。しかしこのビンタも受け止められて一方的なお返し。「ゴッ!」と鈍い音がした一撃に勘十郎は顔を覆って壮絶に痛がる。

080716321.jpg 080716322.jpg

ドロップキックで勘十郎を場外に落としたKUSHIDAはプランチャ。続いて手拍子であおってくいしんぼうがケブラーダの空中競演。

080716323.jpg

くいしんぼうのコーナーラリアットはいつしか自分が犠牲者に。その隙に勘十郎は愛しの乱れ髪を持ち出すがコケてばらまいてしまう。
動揺するくいしんぼうと勘十郎は共闘してKUSHIDAを攻めようとするが、KUSHIDAは羽交い絞めのままくいしんぼうを蹴りで止め、勘十郎をホイップと翻弄。

080716324.jpg 080716325.jpg

なおも食い下がる相手に二人まとめてハンドスプリングエルボー。TAJIRI譲りの殺法が冴える。

080716326.jpg 080716327.jpg

くいしんぼうへのその場飛びムーンサルトは勘十郎の誤爆も誘って、二人を寝かせて再度炸裂。

080716328.jpg 080716329.jpg

ここでKUSHIDAはくいしんぼうに狙いを定めソバットからシュミット式バックブリーカー。とどめはムーンサルトプレス。お株を奪われる畳み掛けにくいしんぼうは返せず3カウント。

「悔しいー!」とマイクで勘十郎。
「次回闘う時は必ずクッシーの唇を奪って、女性ファンを恐怖のドン底に叩き込んでやる」と宣言の勘十郎。なぜか女性客から歓声。

大阪プロレスユニーク軍の理念とハッスルKUSHIDAの信念はぶつかっても折れることなく絶妙に絡み合った。
二つの異世界が交わる時、結果を恐れていては何も生まれない。
ハッスルの看板を背負って一人大阪で闘うKUHIDAを勘十郎達は懐深く包み込み、足並み揃えて一つの作品を作ったと言えるのだ。

○KUSHIDA (9分58秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め) くいしんぼう仮面×
※もう一人は松山勘十郎

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

続きは後半戦で。
posted by ラポン at 23:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 大阪プロレス観戦記2008 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わーい。読みやすいっす。
写真と文章がリンクしているんで、技名も覚えられるるるる〜。
つか、私もこういう風に書くのが理想なんだけど、技名とか知らなくて、結局ああなる(ノд-。)クスン
ここで勉強させてもらいます

後半楽しみにしとりゃぁす
Posted by ちゃー at 2008年07月18日 08:41
記憶力に脱帽します。
それに表現力も日々進化しとりますな〜。こりゃ後編が待ち遠しいですね。明日からの三連戦は観戦予定ですか?
Posted by さぬきうどん at 2008年07月18日 15:10
>ちゃーさん

いや、これ結構な労働っす。
ブログと言いませんコレ。
観戦の思い出をタイムカプセル的に残しているんだと割り切って書いているのであります。
まー時間があれば嫌いな作業じゃないんですが。

ちゃーさんも含めて他のブログさんみたく洗練させる能力は無くて、情報ダダ流し状態なのです。
見習いたいのはコッチの方なワケで。
Posted by ラポン at 2008年07月19日 02:03
>さぬきうどんさん

記憶力?ありません。年々低下してます(笑)

自分の観戦記を支えているのはデジカメ2台で500枚を超える画像なんです。次回の−後半戦−を観ていただければ分かりますが休憩時にカメラを変更しているので写真の色合いが−前半戦−とハッキリ違います。
ちなみにマイクパフォーマンスはソコだけ音声を録音して残してます。

この2つのアイテムが記憶を呼び戻すキーになって6〜7割試合を再現できるんですが欠点は毎回写真の整理に時間を要すんですよね。写真も加工して見やすくしたいですし。

文章は仕事が頭にあるとボキャブラリーが低下して全然ダメなんですよ。ブログ書く環境の理想は深夜に間接照明の中、音量控えめでジャズを流す感じ(キザたらしい)。

今週は色々あって20日にひさびさのホリパラ行こうと思ってます。チケット頼んでないんですが(汗)
前回終電間に合わなくてヒドイ目に遭ったので今回は車で。
さぬきうどんさんの幸せな家庭を見てみたいような気がしますねぇ。
お邪魔する気はありませんが(笑)
Posted by ラポン at 2008年07月19日 02:21
想像していた以上に大変な作業ですね。とても私には真似できません、改めて脱帽そして、お疲れ様です。そのような中でレスを返していくのも大変だと思いますが、身体を壊さないように頑張ってくださいね!
また二十日は挨拶程度しか出来ない思いますが、見かけたら声をかけてくださいね。
Posted by さぬきうどん at 2008年07月19日 06:48
>さぬきうどんさん

ありがとうございます。
ちょっとグチっぽかったですか(笑)

ブログってリラックスしてできる時間があればこれほど楽しい作業はないですし、コメントにはいても励まされてますよ。

20日は見掛けたら声かけますね。
奥様にホリパラは正解だと思います。お互い楽しみましょう。
Posted by ラポン at 2008年07月19日 15:00
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
ブログのトップに戻る
pwrtitleb3.jpg

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。