2008年09月21日

エクスペリエンス -メイン-

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IMP大会のメインイベント。それは大阪プロレスという闘いの舞台が織り成す歴史絵巻の最終片。
過去があって現在があり未来へと続く。
秀吉の3年という経過期間。
ビリーケン・キッドの1年という空白期間。
それを乗り越え主役に躍り出るのは果たしてどちらか。

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大阪プロレス 8月31日(日)松下IMPホール大会

「大阪プロレス物<ストーリー>語 #43」

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第6試合時間無制限1本勝負
大阪プロレス選手権
<王者>秀吉 vs ビリーケン・キッド×<挑戦者>

大阪プロレスのルードとして、そして戦国という名タッグコンビの片割れとして名を売ってきた秀吉の3年越しとなるシングルのタイトル奪取。
当初、試合自体が唐突な発表だった事もあってストーリーの場つなぎ的な雰囲気が漂っていたタイトルマッチであったが、一念発起の肉体改造を施し、王者タイガースマスクを激闘の末に破ってベルトを腰に巻いた秀吉にファンの歓声は次第に大きくなる。
ベルトへの想いがようやく身を結んだ秀吉とその気持ちを最も理解するパートナーの政宗にとってそれは大阪プロレスという団体における天下統一への確かな足掛かりと言えた。
そんな彼の初防衛戦に真っ先に名乗りを上げたのは1年に及ぶ欠場期間から復帰したビリーケン・キッド。彼は完治するまで激闘を見せる仲間達の姿をデルフィンアリーナで見つめるしかなかった。しかしビリーはその状況から逃げずに味わった屈辱をバネに待望の完全復活を遂げたのだ。
パワーファイトを主とし必殺の刀狩に絶対の自信を持つ秀吉。そして華麗なるルチャの申し子、究極の丸め込みラ・エスパルダを持つ男ビリーケン・キッド。この二人の実力は拮抗したまま前哨戦は熾烈を極め、闘いへのボルテージは日増しに頂点へと達してきた。
そしてぶつかり合うのはその鍛え上げられた肉体とベルトに対する真っ直ぐな気持ち。
3年間辛酸を舐めながらようやく手に入れたベルト、絶対に渡さない。
1年間の屈辱の期間を埋めるのは復帰早々のチャンピオン返り咲きしかない。
死力を尽くした闘いを四角いリングが今か今かと待ち受ける。

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まずは挑戦者が黒いロングガウンに包まれて花道をリングへと向かう。
そのガウンの下からは黄色と紫という絶妙な色使いのコスチュームに金色に光るきらびやかなマスクという派手な装い。
これが似合ってしまうのがビリーケン・キッドというキャラクター。

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続いて前奏付きのスペシャルテーマ曲でチャンピオンの入場。赤い装束に般若の面という鮮やかさと迫力が同居した出で立ち。
その面を外すと梵字の書かれた深紅のニューマスクが現れる。

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そして装束を脱ぐと中からスポットライトに照らし出されたのは、より引き締まり磨き上げられた肉体。腰に巻いたベルトと共ににその体を満員の観衆に誇示する秀吉。
オリエンタルなイメージの王者にラテンの香り漂う挑戦者か。

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選手権宣言に続いて写真撮影。両者の闘いに赴く覚悟の表情がマスクの外からも窺い知れる。

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まずは挑戦者ビリーケン・キッドのコール。黄色と白の紙テープに包まれながらその指は頂点を指す。

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続いてチャンピオン秀吉のコール。リングいっぱいに投げ入れられた赤の紙テープを両腕で力強く掻き分けながらその目は挑戦者に注がれる。

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ついにゴングが打ち鳴らされる。しばし距離を置いて様子を見るも、ゆっくりと組み合ってゆく両者。秀吉は上から被さるように押さえつけビリーに肩膝を付かせる。
そこからさらに押し合いは続き、やがて秀吉はビリーをロープに追い詰めるとチョップ一閃。
しかしビリーは瞬時の動きでそれを回避する。

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途端にリング上は激しい打撃戦となる。チョップを受ければチョップを返す。キックを放てばキックが返ってくる。セコンドに付く政宗とタイガースも煽るように檄を飛ばす。

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タックルも互角。ならばと秀吉アームホイップ。しかしビリーも投げられまいと踏ん張る。

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そしてビリーは素早く片足を秀吉の後頭部に乗せるとそのままウラカンラナ。立ち上がった秀吉はビリーを場外に投げ出そうとするがビリーはセカンドロープを掴んでブレーキ、逆上がりで戻ってくる。

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ビリーは序盤からルチャ全開。高角度の高速回転エビ固め。秀吉はすぐさま跳ね返す。

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続いて矢のようなドロップキックが放たれる。秀吉はたまらず場外へ。指を差し上げてアピールするビリー。

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秀吉はビリーを警戒してなかなかリングに戻ろうとしない。テッドレフェリーに注意され後退するビリーだが秀吉がリングインするのを見計らってまたもドロップキック。これが秀吉の左腕に命中してしまう。腕を痛めたことが分かるとビリーはそこに集中攻撃を始める。

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巧みに左腕を狙い秀吉をコーナーに追い詰めたビリーはビリンコバスター連発。政宗の罵声もどこ吹く風で対角コーナーで2発目を投下。

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動きの鈍くなった秀吉を前にビリーは余裕のアピール。そして再度の回転エビ固め。
これを堪えた秀吉はそのままフットスタンプ。これは間一髪避けたビリー。

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しかし続く秀吉のサッカーボールキックをまともに背中で受けてしまうビリー。
四つんばいになったビリーに秀吉は意表を突く走りこみボディプレス。そして立ち上がろうと片膝を突いたビリーに秀吉の容赦ないミドルキックが何発も撃ち込まれる。

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ダウンしたビリーをフェイスロックで絞め上げる秀吉。エスケープを探ると同時にどこから繰り出されるか分からない刀狩を警戒しなければならないビリー。

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ビリーを引き起こしコーナーに詰めるとチョップ&ラリアット「いつものやつ」を叩き込む秀吉。
ビリーはその度に頭突きを食らわせ秀吉はチョップ、ラリアットと返す。

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根競べに焦れた秀吉は瞬間的に背後に回ると刀狩に移行する。恐れていた事態にビリーは必死にセカンドロープに被さる。なおも腕を解かない秀吉にセコンドのタイガースがクレームを付ける。

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それならと秀吉は、ビリーをコーナーへ振ると見せかけてのカウンタータックルで元のコーナーに叩きつける。
しかしそこから狙った串刺しスピアーはビリーが読んでいて自爆。秀吉はコーナーポストに左腕を激突させてさらに痛めてしまう。

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こうなるとビリーの一点集中が再び始まる。まずは場外に落ちた秀吉に追撃のアームブリーカー。リングに戻るとハンマーロックの態勢で絞め上げる。痛みに呻き声を上げる秀吉

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ムリヤリ背負って引き剥がす秀吉だが、その際のダメージにうずくまってしまう。その左腕にビリーは低空ドロップキック、グラウンドハンマーロック、ストンピング。
そしてチキンウイングの態勢のままコーナーに秀吉の左腕を叩きつけるビリー。
修羅の攻めに秀吉の苦戦が続く。

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なおもロープに腕を絡め痛めつけるビリー。秀吉はそれを握って耐えるとその右腕で渾身のラリアット。そしてビリーを挑発するとスピアーをぶつけたままロープまで押し込んで串刺し。場外に落ちたビリーを逃さずトペ・スイシーダ。リングに戻してペディグリーと怒涛の反撃開始。

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休む暇を与えず秀吉はビリーに撃鉄からエグさ抜群のフットスタンプ3連発。悶絶するビリーだったがフォールはカウント2で返す。

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相手の動きが落ちたことを見逃さず秀吉はこだわりの刀狩。懸命にロープに手を伸ばすビリー。一瞬の油断が命取りとなる危険な局面。

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クラッチを離さない秀吉に対し、ビリーは腰を落としてサムソンクラッチで切り返してみせる。
焦った秀吉だったがすぐさまサッカーボールキック。

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しかしビリーはそれキャッチするとそのままグラウンドへ。腕ひしぎ逆十字固めで左腕を破壊しにかかる。これは何とかロープに足を乗せる秀吉。

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なおもしつこく腕を狙うビリーに秀吉は延髄斬り。しかし秀吉は激痛を伝える腕を押さえて次の手が出せない。ビリーは秀吉の腕を高く差し上げて急降下アームブリーカー。ロープに逃れようとする秀吉を引き剥がしてもう一撃。かと思うと瞬間のウラカンラナで丸め込み。

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フォールを返す秀吉にまたも腕ひしぎ逆十字固めのビリー。
ラフとルチャという対極の攻めの前に為す術のないチャンピオン、なんとか痛む左腕でロープを掴みインターバルを取ろうとする。しかしその腕にビリーがコーナートップからの非情なるダイビングフットスタンプ。

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痛みにのた打ち回り場外に転げ落ちる秀吉。そこにビリーのコーナーをまたいでのトペ・コンヒーロが飛来。リングに戻れば左腕に照準を定めたミサイルキック。
しつこいまでの腕攻めを繰り返して秀吉の心を折ろうとするビリー。
秀吉は本能からなのか不意の刀狩でこの難局を打開しようとする。

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しかしこれはDDTで切り返され、そこからついにビリーの得意技であるコウモリ吊り落しを食らってしまう秀吉。ビリーはそのままフォールするが、秀吉は決死のキックアウトでカウント2。

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よろよろと立ち上がる秀吉の起き上がりざまにビリーはラリアット。耐える秀吉。
ならばと2発目を繰り出すビリーだが、これを秀吉がくぐって担ぎ上げると豪快な落城。ビリーはマットに上空から叩きつけられる。

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すかさずラリアットで追撃の秀吉はセルフサービスの剣山につなげてから刀狩の体勢に。
しかしこれをしなやかにラ・エスパルダで切り返すビリー。

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決まったかに思われた瞬間ロックを外し、ブルドッキングヘッドロックのように落として刀狩で返す秀吉。勢いでクラッチが食い込む。身をよじらせて堪えるビリー。
さらに絞め上げる秀吉。体を回転させて逃れようとビリー。
そこをさらに回転させて刀狩に戻す秀吉。

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なんとかロープに逃れたもののダメージの残るビリーを捕らえようとする秀吉。その秀吉を身を低めてサムソンクラッチで丸め込もうとするビリー。それをそのまま被さってフォールする秀吉。
それを回転してエビで固めるビリー。キックアウトする秀吉。

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それならばとビリー究極の丸め込みラ・エスパルダ。これもカウント2。目まぐるしいフォール技の応酬、秀吉の気力が耐え切るか、ビリーのスピードがそれを凌ぐのか。

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続けざまに腕を跨いでラ・マヒストラルに移行しようとするビリー。踏ん張る秀吉。
ならばとビリーは腰を落として腕固め。態勢が崩れてくるとその左腕を持ったまま腕ひしぎ逆十字固め。

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度重なる腕殺しにもギブアップしない秀吉に業を煮やしたビリーはコーナートップに乗せると自分も登って雪崩式フランケンシュタイナー狙い。
痛みに意識が朦朧とする中、セコンド政宗の声に覚醒した秀吉はこれを崩してセカンドロープからの雪崩式撃鉄を解禁。体がバラバラになってしまいそうな衝撃にビリーは大の字。

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それでもビリーはカウント3を許さない。両者立ち上がろうとするもスタミナは限界。ようやく秀吉はよろめきながらもビリーをゆっくりと引き起こすとフィニッシュの刀狩へ。
ビリーは残った力で懸命にロープに手を伸ばす。一歩また一歩と近づくロープ。チャレンジャーの執念がまたも刀狩を決めさせないのか。

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しかし次の瞬間秀吉は刀狩にロックしたままビリーを後ろに反り投げる。ビリーは頭部からマットに叩きつけられ1回転。戦慄の技に場内は悲鳴に似た歓声。
秀吉はスタンディングでロックして再び刀狩スープレックス。

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すかさず覆いかぶさってフォールに入る秀吉。タイガースの必死の呼びかけに応えるようにカウント2で肩を上げるビリー。恐るべき本能のなせる業。
その残り火をかき消さんと秀吉は残りの力を振り絞っての刀狩。這いずってなおもロープを求めるビリー。

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今度は逃すまいと秀吉は自分の体を半回転させてポジションを展開させる。ビリーの手から遠ざかる命綱たるロープ。ついにビリー力尽きてタップアウト。
この瞬間、秀吉が大阪プロレス王座初防衛に成功。

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秀吉の痛む左腕にコールドスプレーを吹きかける政宗。ダウンしたままの好敵手に水を掛けるチャンピオン。

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トロフィーを授けられ、続いてベルトが手元に戻ってくると、それをしげしげと愛おしげに見つめる秀吉。その手に重みとして伝わる勝利の実感。

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王者の権威を肩に勝ち名乗りを受ける秀吉。そして輝くトロフィーを傍らにマイクを握る。

秀吉「おい、タイガースを倒して大阪王者になった、そして今日ビリーを破って防衛を果たせた。誰もオマエら予想せんかったやろぉーあー!?
俺はな絶対王者になってやる。誰もが認める絶対王者になったるわ!
おい、いいか大阪プロレス秋の陣、オレがもっと、もっと面白くしてやるわ。毎週土日、大阪プロレスデルフィンアリーナ道頓堀にオレに会いに来いやオマエらー!
オイコラ、今日これだけは言わせてくれ。オマエら、ありがとうーっ!!」

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誇らしげにベルトを掲げる第14代大阪プロレス王者秀吉。
その傍には親愛なるパートナー政宗。共に狙うは戦国による大阪プロレス制圧。タイガースマスク、ビリーケン・キッドとエース級の2人を破った事でそれはにわかに現実味を帯びてきた。
入場時の佇まい、そしてストイックなまでに鍛え上げられた肉体は王者の風格と呼ぶにふさわしい。宣言した絶対王者と天下統一は同じ到達点。今日のような死闘を繰り広げてこそ王者のベルトはその輝きを増す。
IMP大会のメインという重圧を跳ね除け、天下人秀吉は爆発的な成長を予感させる。

<王者>○秀吉(26分56秒 刀狩)ビリーケン・キッド×<挑戦者>
※王者が初防衛に成功

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ちなみに今日(20日だから昨日か)スカイAでこのIMP大会の初回放送があったそうです。自分はスカイAは見れませんが。
結果としてメチャメチャ遅くなってしまいました。ヘコむなー(泣)

そこのアナタ、映像と文章比較しないように(笑)
posted by ラポン at 03:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 大阪プロレス観戦記2008 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっと、この戦いが見れます。先日、会社の友人に頼んでいた録画が、やっと手元に!
ラポンさんの記事をインプットした私の眼にメインの戦いはどう映るのか?へへ....楽しみでござるな(笑)
観戦記事ありがとうございました。目頭が熱くなりました。
Posted by さぬきうどん at 2008年09月24日 11:58
>さぬきうどんさん

ソレ怖いです(笑)
映像のリアルには敵いませんから。
もちろんフィクションになってはいけないですが多少誇大表現してるところもあるかもしれません。

でもそれによって少しでも感じていただけるところがあれば嬉しいです。
Posted by ラポン at 2008年09月26日 02:05
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