2009年02月23日

大阪ハリケーンという長い一日 −前編−

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色々悩むこと一週間(長い!)、大阪ハリケーン2009は写真素材が乏しい事もありまして試合に対する雑感と、個人的要望っていうかエールに終始しようと決めました。
厳密には観戦記というワケではないので結構ウダウダと書き連ねてます。
もちろん独りよがりの意見ですので読んでいただける方は「フーン」といった感じで捉えていただければと。
基本的にはポジティブシンキングで書いていこうと思います。
試合後に行った「ダイニングキッチンくっちゃん」での思い出も含めて全3回、宜しければお付き合いくださいませ。

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観客が席に着き始める中、まずは新極真会の皆さんによる空手演武。続いて東京打撃団の和太鼓アンサンブルのステージ。

どちらも大舞台に映えていて素晴らしかったと思います。でもこの二つを続けざまに見せるのはどうかなと感じました。
演武はこれから始まる闘いを前に身が引き締まった気がして良かったけれど、すぐ後にこれまたインパクトのある太鼓演奏が続いてしまった結果、どちらの印象も薄らいでしまったワケで。
「披露していただく」という立場であるにしろもったいない演出だったと思います。

それが終わると煽りのVTRから会長の挨拶、そして試合開始。
VTRと会長の挨拶は進行的に逆ではなかったかと。VTRで高揚した気持ちが時間と共に落ちてしまった感がありました。
色々と都合はあるのでしょうが演舞の人たちを残したまま会長が挨拶→最後にもう一度新極真会の皆さんと一緒に締めをするなりして開会宣言→VTRで暗転する中新極真会の皆さんと退場→入場曲が鳴って試合開始というのが理想的に感じました。

和太鼓に関してはワガママでしょうがメインイベントの前に打ち鳴らして大一番の雰囲気を作り心震わせて欲しかったなと思ってしまいました。
それが似合う秀吉がチャンピオンだったのですから。

やっぱりビッグマッチをスムーズに進行させるのは難しいのでしょうか。

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第1試合20分1本勝負
 ○三原一晃
 (7分11秒逆片エビ固め)
 ×瀬戸口直貴

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デビュー1年にも満たない二人が作り出す大阪ハリケーンというビッグマッチでの第1試合。さすがに経験不足ゆえの難しさを感じた。
2回連続で三原の突進を捕まえた瀬戸口のコブラツイストには「おぉーっ」という感嘆の声が上がっていたが、試合のほとんどは三原のゴツゴツした攻めが支配。最後は逆エビ固めから片逆エビ固めで三原がギブアップ勝ち。
試合前に演武と太鼓という「プロ中のプロの技」を見せ付けられたこともあって試合へのハードルが高くなってしまった感もあったし、正直待たされた分プレッシャーに押し潰されてしまうのではないかという懸念があったのは確か。三原の強張った表情がそれを物語っていた。
瀬戸口に至っては復帰2日目にやってきた大舞台。肩のサポーターも外れず100パーセントの状態では無かった中であの気迫が見られただけでも充分といえば充分かもしれない。
救われたのはデルアリと同じく所々から「三原!」「瀬戸口!」といったファンの声援が聞こえ、戸惑う彼らを後押ししてくれていた事。
その「頑張れ」という空気を受け入れる形で会場全体が暖かく見守る雰囲気になった事が観ていて嬉しかった。

そして成し遂げられたオープニングマッチという使命。
彼らにとっては大舞台に立ったという事実が大いなる糧。次の大阪ハリケーンで二人はどんな光景の中立っているのだろうか。

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第2試合タッグマッチ30分1本勝負
 ○ウルティモ・ドラゴン&ツバサ
 (9分17秒アサイDDT→片エビ固め)
 政宗&×ヲロチ

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マスクマンの多い大阪プロレスにあってもツバサの存在はひときわメキシコルチャのミステリアスな魅力を持ち続けている。そのツバサがジャパニーズルチャ、いや世界のルチャの大御所とでも言うべきウルティモ・ドラゴンと並んで立つ様はやはり壮観。会場のライトにきらめくマスク、やはりカッコイイ。
対するは政宗とヲロチ。凶器不要の小憎たらしいまでのラフ殺法の数々は彼らの持ち味。空中でピンと背筋を跳ね上げてから落ちるトペ・アトミコなど政宗はテクニックでも大観衆に見せつけてくれる。このコンビ、見れば見るほど馴染んでくる。
そして試合の序盤はツバサを攻め込んで主導権を握っていた政宗とヲロチも、徐々にドリームコンビの放つオーラに圧倒されてゆく。ヘッドシザース一つで観客を沸かせるウルティモ校長の存在感は一級品。ツバサもウラカンラナやトペスイシーダで後に続く。
見せ場はリバースブレーンバスターを返したウルティモ校長とカットに入ったツバサによる二人同時のドラゴンスリーパー。ドラゴンスリーパーという技を知らない観客でもここぞというピンポイントでの技の競演に喝采を送っていた。そして最後はヲロチの力技を返し尽くしたウルティモ校長のアサイDDTでフォール勝ち。

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なぜ今まで実現しなかったのか不思議なくらいの抜群の相性を見せたコンビだっただけにこれで見納めというのももったいない気がしてしまった。
限定参戦という状況にあるもののツバサには日本のルチャを担う一人としてこういった夢の部分をどんどん見せていって欲しいと思う。
ウルティモ校長もツバサに何か感じることがあるならば、スポットでも自身の興行に呼んでいただきたい。大げさに言ってしまえばツバサはウルティモ・ドラゴンの後継者たるどっしりとしたルチャをもつ日本でも数少ないルチャドールだと思う。今の若手のようにピョンピョンと派手に飛び技を見せずに、一つ一つの技に説得力を持たせることに成功しているのだから。
もちろん学業の兼ね合いもあるツバサではあるが、「客を呼べる華やかさ」が彼にはある。例えただでさえ少ない大阪プロレスでの参戦機会が少なくなるとしても、ツバサの持つ本格的なルチャの魅力を全国のプロレスファンに知らしめたいと思うのは自分だけではないだろう。

そんな夢の架け橋が見えた第2試合。またどこかでこの続きを...。

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第3試合8人タッグマッチ30分1本勝負
 ○ダンプ松本&くいしんぼう仮面&えべっさん&救世忍者乱丸
 (12分13秒ダイビング・ボディプレス→体固め)
 ×ストーカー市川&×松山勘十郎&ミラクルマン&冨宅飛駈

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一癖もふた癖もある8人が限られた時間の中で繰り広げた大阪プロレス提供としては唯一のお笑いマッチ。
やはりこれだけのメンバーを揃えてしまうと一選手あたりのパートはどうしても少なくなってしまう。冨宅に至ってはUFO振り付けとグラウンドに誘っている印象しかなく、えべっさんも喋りが発揮できない事もあって目立ったのはアニキ召喚ネタくらい。
それでも極力言葉の要らないムーブでまとめた流れはお見事。くいしんぼうのアッチ向いてホイグーパンチや竹刀リバースインディアンデスロック(+火起こし)は大会場でも活躍。
乱丸も紅一点(失礼)として身軽な立ち回りで存在感を発揮する。
ストーカー市川は前回の参戦時に期待されていたミラクルとのカンチョー競演を披露。二人連続でのダイビングカンチョーはデルアリでもう一度見たいくらいのプレミア度。ダンプの竹刀に対する派手な反応も絶品。
ミラクルも周りの非難覚悟で極悪同盟も巻き込んで女性陣にカンチョー乱発。コンドル斉藤へのお触りは若干引きましたがボコボコにされるミラクルにプロのプライドを感じました。

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女子プロレスレジェンドであるダンプ松本も一人乱丸の金縛りが効かないなど大物振りを発揮。省エネな動きでも竹刀を振り回すだけでダンプ松本は恐怖の存在となり彼女を中心に世界は回る。ミラクルの「よっしゃドライバー」未発ネタも最後に不動のダンプがいるだけで面白さ倍増。
この試合にもっとも意識して臨んだ勘十郎もストーカー市川との元闘龍門コンビでの同時ロープ渡り(ダンプの蝶々付き)や愛しの乱れ髪でダンプに善戦。それでも最後はストーカー市川と一緒にラリアットを食らってダイビングボディプレスでまとめてフォールのお約束。
もう許されるだけネタを詰め込んだ贅沢な幕の内弁当的カード。どれだけはみ出した具材があったことか。
まさにユニーク軍の面目躍如、勝負に負けて勝負に勝った一戦。しかしあれでもユニーク軍の魅力の半分も見せられていないと思う。
それでもあの大観衆の反応ぶりなのだから、世にはどれだけ大阪プロレスのユニークにハマる潜在的予備軍がいるのか想像もできない。

ダンプ松本という「お客様」抜きでも最高に面白い大阪プロレスのユニークマッチはやはりデルフィンアリーナで観ていただきたい。
彼らの醸し出す祭りを見てるかのような高揚感ははそこでは日常茶飯事なのだから。

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第4試合6人タッグマッチ30分1本勝負
 小峠篤司&○原田大輔&タダスケ
 (10分57秒片山ジャーマン・スープレックス・ホールド)
 ×大石真翔&旭志織&KAZMA

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外敵との直接対決という事でファンにとっては最も感情移入してしまう一戦。このバックボーンを知らない人にも取り巻く雰囲気から対抗戦特有の緊迫感は伝わっていたかと。
紙テープの舞うリング上。6人の中でKAZMAの大きさは目立っていたが、後は一見実力差が分かりにくい構図。これについてはVTRで伝えた以上の説明は無理というもの。
それでも徐々に熱を帯びてゆく攻防が瞬時に切り替わるシーソーゲームは観る者の目を奪い手に汗握らせることができていたはず。
ここはやはりB&Gの3人を抜群のコンビネーションで追い詰めた大石と旭がやはり上手かったのだろう。場外乱戦の中一人ステッキを振るって踊る大石や小峠とタダスケをまとめて卍固めに決めてみせる旭など自分達のキャラクターを表現する術を心得ていた彼ら。

しかしこの圧倒的不利とも言える試合の中でKAZMA攻略に敢然と立ち向かったタダスケは頼もしかった。パワー勝負ではまだまだかなわなかったものの、もう少しタダスケの体ができてくればシングル対決というのも現実味を帯びてくる。
オメガの猛攻を耐え凌いだ小峠もこの試合の立役者だ。見た目にももろい印象を与えてしまいそうな彼が立ち向かっていく姿は自然と観客の応援を呼び込んでいた。
それでも原田を含め3人とも決め手となる一撃に欠け、試合はオメガの勢いをB&Gが必死に食い止める展開が続く。

終盤になって小峠は、前回の新宿FACE大会で敗北の流れであった旭の阿吽→大石の駆け上がりドロップキック→旭のダイビングフットスタンプ→大石の絶品ムーンサルトの波状攻撃を食らってしまい、続けてフィニッシュのサボテンの花の体勢に持ってかれるもここは原田がカット。
その原田を狙った再度のサボテンの花はタダスケが2段階式ブレーンバスターで大石を投げて阻止。そしてカットのKAZMAにも強引に持ち上げる2段階式ブレーンバスター。
ここで新宿FACEでは不甲斐ない思いをしただろう原田が奮起。タダスケが場外で押さえていた旭とKAZMAに小峠が起死回生のトペ・コンヒーロを浴びせて分断。リング上で大石と一騎撃ちになった原田は大石を浮かせて強烈な膝を叩き込むと一気に片山ジャーマンスープレックスホールドで雪辱勝利。
この時の盛り上がりと言ったら観客総立ちになりそうな勢い。少なくとも「原田決めろ!」と叫んでしまった自分は思わず立ち上がってしまったワケで。

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しかしどうひいき目に見たとしても試合の大勢はオメガが掴んでいた。ベルト3本を引っさげその実力者ぶりを誇示する大石と、その永遠のパートナーといえる旭との完成されたコンビプレー。旭自身も容易に試合の流れを明け渡さない試合巧者ぶりと逆に流れを奪い取る阿吽というどこから繰り出されるか分からない回転キック。そしてそのコンビネーションの隙間を埋めるKAZMAのパワーアシスト。
しかしそんなオメガの必勝パターンの中に勝利を見出したB&Gの3人。
ここしかチャンスが無いといった局面で数分にしろオメガの勢いを上回ったB&Gの3人には惜しみない拍手を送りたい。

原田のベルト挑戦要求を大石は「1回勝ったくらいで調子に乗るな。考えておいてやるよ」と態度を保留。それでも原田大輔という存在が大石真翔の視界に入ったのは確か。
そして勝ち名乗りを受ける彼らの姿にB&Gというユニットを立ち上げた意義を改めて感じたワケで。

当初ゼウスと原田の2人から結成された下克上ユニットB&Gはタダスケ、小峠と陣容を整えるものの結果が付いて来ず、やっと掴んだタッグフェス2008の優勝、準優勝独占も大阪プロレスの時代の流れを変えるまでには至らなかった。そしてゼウスのハッスル参戦に伴ってB&Gの世代交代への気運はトーンダウン。結果としてうやむやなままに年内で正規軍に事実上吸収されることになってしまった。
しかし後述するゼウスのボクサー転向宣言を待つまでも無く、その頃になるとB&Gはゼウス抜きのユニットといったイメージを強くしていった。
実際個人的な意見になってしまうがゼウスという特異稀なキャラクターは大阪プロレスの中でいくら世代交代を叫ぼうともどこかズレた印象をファンに与えていた。実力的に飛び抜けていたゼウスがパートナーにいる事で「ゼウス頼み」といった雰囲気。ゼウス不在だと「敗北やむなし」といったムード。これはゼウスが悪いわけでも他の3人が悪いわけでもない。
ただゼウスの勝利によるベテラン越えは世代交代の意味を持たないといった意見は当初からあったように思えたのだ。

だからこそゼウスがいなくなる事によって初めて小峠、原田、タダスケの3人に自発的な何かが芽生えてきたような気がする。オメガの絡む一連の対抗戦が本格化したのはまるで彼らがゼウスという後ろ盾をなくした事で逆に開放され、そこで初めて全方位への広い視野を手に入れたように思えて仕方が無いのだ(もちろんこれはゼウスがいなくなるという事実を以前から3人が知っていたという事が行動の前提になってしまうが)。

かくして対抗戦という広い海に出るチャンスを得たB&Gには決められた海図も羅針盤も必要ない。オメガだけに固執すること無かれ。対戦相手は日本全国に溢れる。格上の相手に不相応な闘いを挑み、無様に叩きのめされようとも今の彼らには恐れるものは無い。団体の威信を背負わずとも自分達B&Gのプライドで闘えばよいのだ。潰されても潰されても立ち上がりひたすら世代越えを目指したB&Gの志しのままに。
そして何年か経ってなお、結成時に誓い合った「B&G」という心の旗印を持ち続けたとき、そのユニット名はやがてファンに受け入れられる本格的な世代闘争への扉へとなるのではないだろうか。
「K−DOJOのNO.1ユニットオメガ」に負けない「大阪プロレスのNO.1ユニットB&G」という看板を目指して、団体間のしがらみを取り払いベテラン達を出し抜いて積極的に門戸を開いていって欲しい。

プロレスの大会というものは全試合の中で一つでも心に響くものがあれば充分だと自分は思う。それはやはり色んなタイプのお客さんが訪れる中でそれぞれの琴線に触れる内容を提供しなければならない以上、自分の好みにあった試合ばかりを望むのは無理なのだと思うから。
だからこの大阪ハリケーン2009でこの試合を見られた事で、ひとまず自分の欲求は満たされました。大阪プロレス、というかB&Gだけで作り出した世界ではないにしろ、どこに出しても恥ずかしくない内容だったと思います。後はここからのカードでどこまでその満足感を下げない試合をしてくれるか...。

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後半に期待を残しながら大会は休憩へ。正直この時点で1大会分のボリュームは既にありましたですね。
posted by ラポン at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 大阪プロレス観戦記2009 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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