2009年06月20日

テッド・タナベ追悼興行 6/19試合結果 with 雑感

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                     ※写真は当日の大会のものです

この大会は選手達の闘いをしっかりと見届けたかったので入場直後、もしくは試合終了後に数枚ずつしか写真を撮ってません。
何枚かは今回の記事に掲載していますが、自身どこまで載せてよいものか悩みました。
もし常識の範囲内でこれは避けたほうが良いのではないか、という写真がありましたらご指摘くださいませ。

そして都合により来場できなかったり、札止めで会場に入れず悔しい思いをされた方には申し訳ないのですが、観戦記を含めて以降にこの日の写真を掲載することは無いです。
個人的なワガママで申し訳ありません。
この一週間ほどの出来事に自分自身が区切りを付けたい部分がありましたもので何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。

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Mアリのオープンと共に置かれた献花台を埋め尽くしてゆく花、花、花。
テッドさんの顔が少しほころんでいるように見えました。

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まずは参加選手がリングを囲み、リング中央には阪上会長と遺影を持つ吉野レフェリー。
黙祷の中、10カウントゴングが打ち鳴らされる。

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@30分1本勝負
 ○原田大輔
 (7分18秒ランニングエルボー→片エビ固め)
 ×三原一晃

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第1試合からすでに会場の雰囲気は「最高の大会にするぞ」という気持ちで統一。観客はいつも以上に手を叩き、声援を送る。
その熱気に乗って三原が迫力の形相で激しく攻め立てれば、原田はこれを受け止めいつも以上に厳しくやり返す。それでも日々成長を続ける三原のパワフルぶりは原田が一瞬よろめくほど。
試合はゴツゴツと体を張った消耗戦の中、ランニングエルボーで三原の体力を削りきった原田が勝利。
この大会に赴く選手の気持ちを代弁するような素晴らしい試合でした。

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Aタッグマッチ30分1本勝負
 ○冨宅飛駈&救世忍者乱丸
 (9分57秒胴締めスリーパー)
 ミラクルマン&×石倉正徳

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続く第2試合は冨宅と石倉が持ち味を生かしたハード攻防を見せ、そこにミラクルのブーイング上等のセクハラ攻撃や乱丸の忍法タイムストップなどユニークな要素が割り込んでゆく。
次第に冨宅が寝技要求を無視され仏頂面を見せ、石倉もミラクルのネタに対する観客の過剰な反応にツッコみを入れるなど全員が大阪プロレスらしい展開を楽しみだす。
それぞれがいつものスタイルを持ち寄って、いつも以上に面白いプロレスを見せようというのが伝わってきて観ていて嬉しくなってしまいました。
試合はミラクルのキンチョーが石倉に誤爆し、それを冨宅が見逃さず胴絞めスリーパーに決めて勝利。

そしてミラクルはマイクを握ってテッドさんに感謝を述べる。
ミラクルマンが今までに無い程のブーイングを浴びてミラクルマンらしい見送り。テッドさんが愛したプロレス的日常、ちゃんと表現されてましたよ。

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B6人タッグマッチ30分1本勝負
 ○アステカ&コスモ☆ソルジャー&スペル・タイラ
 (9分54秒垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)
 藤澤忠伸&×小仲=ペールワン&新村一樹

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第3試合は華激のルチャトリオと、K−DOJO藤澤、GUYZのペールワン、そして新村による混成軍による6人タッグ。
オーソドックスに攻める藤澤と新村に対し、奇声を発しながらトリッキーに動き回り観客の注目を浴びるペールワン。
これを華激トリオはアステカを中心に息の合ったチームワークで巧みに分断。最後はアステカ自身が垂直落下ブレーンバスターでペールワンを仕留めた。
福岡、千葉、愛知、大阪とテッドさんの交流の広さを表わすような顔ぶれ。この大会での繋がりが大阪プロレスだけでなく、プロレス業界全体の繋がりの一部として続いていって欲しい。
そのきっかけをテッドさんは今回の事で作ってくれたのかもしれないから。

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C10人タッグマッチ30分1本勝負
 アジアン・クーガー&秀吉&政宗&ゼウス&×小峠篤司
 (9分03秒ラリアット→片エビ固め)
 タイガースマスク&○ブラックバファロー&ヲロチ&The Bodyguard&タダスケ

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第4試合は大阪プロレスメンバーによる目まぐるしいハイスピードマッチ。まさにリンピオとルードが入り乱れる大阪プロレスの傑作が10人タッグでも変わらぬ密度で展開する。
最初の「X」として一夜限りの復活を果たしたゼウス、いつもながら恐いもの知らのクーガーによるムチャリブレ、息の合った戦国の連携、やられながらも奮闘する小峠と個々が持ちうる魅力を出し惜しみ無く見せてゆく。
最悪軍団もいつもと変わらぬ精度の高い悪のコンビネーションを繰り出す。その中で結成間もないヲロチとタダスケのコンビがパワフルなコンビネーションで存在感を見せ付け暴れまわる。
ボディガーが規格外パワーで試合を振り回せばタイガースとバファローがここぞのタイミングで自軍に勝機を引っ張り込む。
トドメはバファローの強烈なラリアットに小峠が轟沈、9分少々という試合時間が信じられないほどの充実感の試合を制した。

そして選手がそれぞれマイク。

「テッド・タナベに注目!」と涙ながらにクーガー

感謝と決意を強く胸に秘めて秀吉と政宗

心の中にいつまでもテッドさんがいるとゼウス

見守ってくれた恩に報いんと飛躍を誓う小峠

そして最悪軍団はタイガースとバファローが代表でマイク。

Mアリを一歩出た瞬間から不世出のレフェリーであり人物であるテッド・タナベと皆とのライバルストーリーが始まると言うタイガース。
その謎掛けは聞く者それぞれが解釈しろという事なのかもしれない。
個人的にはテッドさんという短くも確かな輝きを放った人物を、偲ぶだけでなくこれからも理解してゆく事で人間的に超えてゆけ、というエールと受け取った。

バファローは「テッドさんの人脈や指導力に甘えていた」と自責の念を述べ慟哭する。
テッドさんが大阪プロレスにもたらしてくれた数々の恩恵、それはベテランとして業界を見てきたバファロー自身がもっとも強く感じることなのだろう。
我々は今までテッドさんのいてくれたリング上の闘いをさも当たり前のように楽しんでいたのだ。そしてそれは当然のようにずっと続くものと思っていた。
そして不意に失い、それがとてつもなく大きいものだった事に気付く。
と、同時に自らの不甲斐なさを知ってゆく。選手も、ファンも、そしてプロレス界も。
だったらこれからどうするのか、それはまさに暗中模索。バファローの嘆きはプロレスの嘆き。
でも追い求めてゆかねばならない。手探りであろうと探っていかなければいつまでも見つけるに至らない。

ボディガーもヲロチもタダスケも言葉は発さずとも想いは同じはず。今は霧に包まれて前が見えなくてもきっと彼らは挫けず諦めず、前進することで答えを出してくれるだろう。

次々とテッドさんに投げ掛けられる選手達の言葉に観客の多くが泣いた。自分も泣いた。
でも、自身の涙は果たしてテッドさんへの手向けだったのか。それともプロレスの行方を嘆いただけなのか。それは自分でも分からない。
言える事はこのまま皆が悲しみ続けたらプロレス界に3カウントが入る。
それはあってはならない。
テッドさんは低迷するプロレス界があきらめずカウント2で返し続けることを望んでいるのだから。
だったらカウント2で返したらみんなで力いっぱい応援し元気付け勝利へと後押ししなきゃいけない。勝利すなわちプロレスの復興へである。
それはテッドさんが望んだ、プロレスファンが取ってゆくべき行動であろうから。

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D「女子プロレス提供試合」タッグマッチ30分1本勝負
 ○コマンド・ボリショイ&宮崎有妃
 (11分12秒キド・クラッチ)
 GAMI&×植松寿絵

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第5試合はこの大会に華を添えてくれた女子プロ提供マッチ。「テッドさん、これを見たいでしょ」とばかりに楽しく小粋に魅せてくれた4人。
ちょっと落ち込みかけていた気持ちを見事に上昇させてくれました。この試合順は大正解です。
試合はボリショイが見事なキド・クラッチで難敵植松から3カウント勝利。
終了後のGAMIのマイクはうまくまとまらなかったけれど、逆にそのたどたどしさが彼女達のこの大会に向ける気持ちの純粋さを教えてくれた気がしました。

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E「大日本プロレス提供試合」タッグマッチ30分1本勝負
 関本大介&ד黒天使”沼澤邪鬼
 (12分42秒スクールボーイ)
 シャドウWX&○谷口裕一

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セミファイナルは大日本プロレス提供マッチ。
関本は大日本におけるストロングスタイルの象徴。邪鬼とWXはデスマッチ職人として不動の地位。そしてそのどちらにも属さないことで異彩を放つ谷口という存在。
団体のカラーの一つともいえるハードコア向きな要素を完全に廃してみせたこの試合で一番の存在感を出してみせたのは谷口。関本と邪鬼の攻撃を受けきってまさかの邪鬼からフォール勝ち。
谷口とテッドさんの親交は詳しくは知らないが、彼がいつも見せるコミカルな面が今回は「プロレスラーはみんな元気です、テッドさん安心してください」という人間味溢れるメッセージに思えたから不思議だ。
新人がいてベテランがいる。タイトルマッチでメインを任される者がいればオープニングマッチで会場をしっかり暖めてみせる前座の花がいる。その全ての生き様がプロレス。
そしてやられっぷりが見事な谷口だからこそ相手の技も際立つ。その谷口が勝利する快感。これもプロレス。

そうですよね?テッドさん。

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F6人タッグマッチ30分1本勝負
 CIMA&菊タロー&×えべっさん
 (21分56秒関空トルネード→片エビ固め)
 ビリーケン・キッド&○くいしんぼう仮面&松山勘十郎

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テッドさんの追悼興行のメインは「いっぱいの笑顔で見送ろう」というみんなの気持ちがうまく反映された6人タッグマッチ。それぞれが引き出しを遠慮なく開放する。
菊タローが毒と薬を使い分けどんな相手にも笑いを降臨させられるスペシャリストなら、えべっさんはその路線に逆行するように暴走し未知の笑いを引き出す確信犯的天然素材。
ビリーはチャンピオンとしての華麗さと華やかさを表現したかと思えば、ユニークでは絶妙トークと太陽スマイルで笑顔を増殖させる。

くいしんぼうはお笑いプロレスの重鎮、喋らざるスーパーパフォーマー。その常に進化する笑いはプロレス人間国宝。
松山勘十郎は喋りを武器に試合という活劇を笑いとセットで提供する千両役者。いぢって最高いぢられても最高のマルチなお笑いは既に10年選手の風格。
そして「X」としてサプライズ登場したCIMAはこの個性はぞろいの顔ぶれの中で、ビリーとスペシャルな攻防を繰り広げたかと思えばユニーク軍(&大阪お笑いチャンピオン菊タロー)相手にそのカリスマとトークの才で立ち向かう。

そして試合はあれよあれよの内に20分を超える。菊タローとくいしんぼうが伝統の動きを見せれば、それに釣られてCIMAも一人欽ちゃんジャンプや数珠繋首四の字、ハリセンからのビンタ合戦にヘッドロックごっつんこからフラワーダウンなどユニークワールドを存分に満喫する。
いつまでも続くかと思われた熱闘は勘十郎がCIMAと菊タローを愛しの乱れ髪で絡め取る間にくいしんぼうが関空トルネードでえべっさんからフォール勝ち。

試合後のマイクでもビリーを始め皆がテッドさんをレフェリーとしてだけでなく人生の先輩として尊敬し、その言葉に励まされてきたと語る。
私利私欲ではなく心からプロレスを愛したテッドさんによって選手は時には勇気付けられ、時には反骨心を誘発されながらやる気を育ててきたのではないだろうか。

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そして最後はリング上に参加選手全員が集まりくいしんぼうが代表して締め(大きなサイズはコチラ)。

団体の垣根を越え様々な選手が集った今回の大会。これはテッドさんの人徳が団体の枠を超えて浸透していたからこそ実現したもの。
これからもテッドさんは優しくプロレスを見守り続けるはず。「千の風になって」の歌詞のように日本中で頑張るプロレスラー達を大空を吹き渡る風のように上から眺め旅しては一喜一憂する事だろう。

様々な団体で数え切れない選手達をレフェリーとして裁いてきたテッドさん。その偉大な足跡を称えてゆくのならばテッド・タナベ追悼興行はこれからも年に1回の特別なイベントとして続けていって欲しい。
関西は大阪プロレス主催、関東はみちのくプロレス主催というように同時開催でもいい。これからもインディープロレス界の結びつきの大切さを再認識する大事な場であり続けて欲しい。
昨今のプロレス界を憂いていたテッドさん。その行方を見守れない悔しさは察して余りある事。
だからこそテッドさんの存在を失っても志しまで失ってはいけない。その意思をいつまでも忘れない意味で「テッド・タナベ」の名を冠した大会は続けていってもらいたいと思います。

そうすればまた出会える。永遠の名レフェリー「テッド・タナベ」と。そして「テッド・タナベ」の名の元に闘うプロレスラー達と。

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毎度の事ながら長文、駄文失礼いたしました。
posted by ラポン at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 大阪プロレス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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