2008年05月21日

真なる全能神

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「未知の強豪」という言葉。

今のプロレス界ではあまり耳にしない。
格闘技の世界は「未知の強豪」が毎年話題になる。
詳しくないので深く語ることはできないが、世界各国から様々なファイトスタイルの選手が来日して戦線を賑わしている。
もちろん「未知の強豪」=外国人というワケではないが、ほとんどの人はこの言葉をワールドワイドな響きにとらえるだろう。

しかしながらプロレス界を見渡すと驚くほど外国人選手が少なくなった。
外国から呼ぶ必要がないほど日本人の選手層が厚くなったともいえる。実際今の試合には聞きなれた名前ばかりがカードに並ぶ。
プロレスはデビューした選手達が地道に努力を積み重ねて共に大成してゆく。そういった手の合う同士のハイレベルな攻防が売りになってきたことも一因だろう。
戦後の反外国人感情は時代と共に消え、日本人対外国人の図式は終わりを告げた。対戦相手が外国人である必然性がなくなったこともあるのだろう。
これらは平成プロレスの到来とともに当たり前の状況になっていったのかもしれない。
いつの間にか「未知の強豪」の来日といったワクワクするようなシチュエーションは皆無の状況となってしまったのだ。
もちろん情報が氾濫している世の中だ。それはプロレスとて例外ではなく、選手情報などはインターネットで簡単に入手できる現状にある。
ネット社会は簡単に知識欲を満たす反面、全ての事象が画面の中でほとんど把握できてしまう。
すでに「未知」などというもの自体が存在しないとも言えるのだ。
それによってプロレスが本来持っていた独特の怪しい雰囲気が失われつつあるのは残念でならない。

果たして日本のプロレスからは「未知の強豪」達は消えてしまったのか。
外国人選手たちは渡航費や滞在費、それに見合うギャラなどの問題もあって来日に魅力を感じなくなってしまったようだ。
団体側がよりエンターテインメント性を重視することから、観客とコミュニケーションを取りにくい外人選手が敬遠されている部分もあるのかもしれないが。
じゃあ国内を探してみるとどうか。

ゼウスがハッスルに乱入した。観客の反応は一部の拍手を除くとおおむね鈍かったと言えるだろう。
ハッスルという芸能人を多く含む団体の性質から考えると観客はプロレスファンの中でもよりライトな層が大半を占めると考えられ、多分彼の姿を始めて見たという人が多かったのではないか。
果たしてゼウスはこれからどういった存在になりうるのだろうか。
ひとつの可能性として言えるのは、彼ゼウスは大阪プロレスという今まで世間(=メジャー)とは隔した世界で純正培養された「未知の強豪」ではないかということ。
プロレスの実力はこれからの部分も含めてまさしく未知数。
それでもあの筋肉はアピールするに充分なポイントだ。
彼の活躍によってはハッスルはプロレス界の新たなるスターを誕生させるかもしれない。
有名人を招聘して人気を博してきたハッスルにとって、それはまさに大変革と言えるのではないか。
しかしそれには条件がある。見る人に強いインパクトを与え続けるることだ。
訴えかけるメディアは用意された。あとは発信するだけ。
ゼウスの使命は忘れられかけた「プロレスのスゴさ」を満場に知らしめること。
無名だからこそ大きく化ける。それには視覚に訴える無類たるカリスマ性の強さが必要なのだ。

今のプロレス界は団体間の交流が頻繁になってしまったこともあり、「夢のカード」と呼ばれるものを出し尽くしてしまった感がある。
特にインディーマット上はその状況が顕著で一塊の大連立の様相さえある。
ゼウスはその塊を飛び越えメジャーへと躍り出ることができるか。
これには彼自身の可能性に留まらず、プロレス全体の可能性として期待を持ってしまう。
業界を潤す試金石となるか。
その名のとおりプロレスの全能の神となるのか。
もしかしたら開国した大阪プロレス自体がプロレス界にとって「未知の強豪」の集まりと言えるのかもしれない。


日本プロレスの黄金期には魅力的な外人が多かった。
「不沈艦」スタン・ハンセン
「超獣」ブルーザー・ブロディ
「美獣」ハーリー・レイス
「黒い呪術師」アブドーラ・ザ・ブッチャー
「インドの狂える虎」タイガー・ジェット・シン
「人間山脈」アンドレ・ザ・ジャイアント
「仮面貴族」ミル・マスカラス
彼らは近づくことすら躊躇するほどの大スターだった。

まだ見ぬ強豪に夢を馳せたあの日。
スター不在の今のプロレス界。待望論は根強い。
今こそ「未知の強豪」たちが表舞台に出る時。未知から周知へ脱皮する時。
誰にも「スゴい」と思わせた、かつての強豪外国人たちの役を担えるか。
オールドファンたちがプロレスに帰ってくるカギは意外にもこういったところにあるのかもしれない。
posted by ラポン at 23:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 大阪プロレス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
未知の強豪ですか、本当に懐かしい響きですね。
町にプロレスがやってきて会場に入ると、「うわわすっげえ」とデカイ外人レスラー見る度に感じてました。ある時、2階席で観戦してたらアンドレ.ザ.ジャイアントが入場してきて手を伸ばしたら触れそうな距離に驚いたものです。後、TVではロードウォリアーズ初登場!あれは凄かった。世界のプロレスという番組で未知の強豪と紹介され未だ来日しないのか?と期待してたのでワクワクしながら見ましたね、入場からかっこよかった!走りぬけリングインしたら相手を蹴散らしコーナーに上がってポージング!ホークが力を込めると首のバンドがプチッと外れました。よく考えたらゼロ選手に、在りし日のホークを重ねてた気もしてます。
大阪プロレスを初観戦した時もゼウスの筋肉、パワーに驚愕しゼロ選手のカッコイイパフォーマンスと強さに痺れ、タイガース選手に初代タイガーマスクの幻影を見て、俺が探してた待ってたプロレスって、これやないか!と心が訴えたのが私を熱烈なファンにしたのでしょうね。お笑いに慣れるのは少々手間取りましたがね(笑)
またまた脱線ですね、申し訳ありません。大阪プロレスがプロレス界の未知の強豪という意見に私も賛同いたします。いつもながら上手い表現ですね、鍵を握るのがゼウスならパワー溢れるインパクトを爪痕を残してもらいたいです。ゼウスがきっかけになり素晴らしい能力を持っている大阪プロレスのレスラー達を全国の人達に知らしめて欲しい!今日も熱くコメントさせていただきました。ありがとうございます!
Posted by さぬきうどん at 2008年05月22日 15:21
>さぬきうどんさん

そうなんですよ!
ホーク・ウォリアー=ゼウスのイメージで書き進めていたのに肝心の彼らを入れ忘れてました(泣)
帰ったら追加しておきます(笑)

「世界のプロレス」もちろん見てました!
「あの」ウォリアーズが全日に参戦した時の全身に鳥肌立った記憶は忘れられません。
偶然にも最近サムライTVレトロアワーで見ましたがカッコイイ!シビレル!

あのホークの舌出しパフォーマンスはゼウスにも似合いそうです。
格闘で強いヤツなら腐るほどいますが今プロレスファンが求めているのは超人的なパワーとタフネスさ!
それがゼウスに宿ったとき書いたことが真実になるかもしれません。
想像しただけでもワクワクが止まらないですよ。

この前どこかのコメントに「ゼウスより大阪プロレスの方が気になる」って書いたのですが、今回のイメージに行き着いたとき見方が変わりましたね。

ゼウス改革が大阪プロレスやハッスルだけでなくプロレス全体の改革になるのを夢見ながら見守ろうと思います。

今回は時間があればもっとじっくり書きたい題材でしたね。
少し改訂したくなってしまいました。

Posted by ラポン at 2008年05月22日 17:16
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